理塘へ
康定を出発して6時間で理塘に到着!!
そして事件発生‼
もう6時間とか短く感じてきたよ。あれっもう着いたのって。
道中4500m級の峠を何本か越えた。
ヤクがそこら中に放牧されている。草原の中にたまーに遊牧民のテントが出現する。
実は康定で泊まった宿の部屋が満室でテントしかないと言われ1泊してみたのだが、
中に入った瞬間あったかい。暖房がついているのではないかと疑うほどだ。
むしろ部屋よりも心地よかったので喜んで宿泊する。
こういう先人の知恵、尊敬しかないっす。
バスを下車後、ポタラインという宿を探すためにバスの中で知り合ったイスラエリーの
エイアーと共に歩き出す。
宿に無事に到着するとエイアーが近くの丘の上に立つお寺に行こうと言うので行ってみることに。
天気は最高。ここ数日間はずーっと曇りだったらしい。
俺は理塘に歓迎されているな、と本気で思った。
標高4000mのせいかやたらと息が切れるが30分程歩くと
ようやくお寺が見えてきた。
すれ違う人たちは愛想よく挨拶してくれる。
壁画がキレイでした。
お坊さんがお堂の中でお経を唱えたりしていました。(撮影NG)
陽も傾いてきたので、そろそろ帰ろうということでホテルへ。
しかし息切れが半端ない。おまけに頭痛までしてきやがった。。
ホテルに着くとそのままベッドで横になる。
寒気までしてきた。全身の関節がひどく痛む。
昔40℃の熱で寝込んだ時がフラッシュバックしてきた。
しかも、やたらと小便が近く1時間に1回はトイレで目を覚ましてしまう。
その度に、寒くて暗い廊下を重い身体を引きずるようにして往復しなければならなかった。
俺は理塘に歓迎などされていなかった。これは洗礼である。
あまりのしんどさの中、朦朧とした意識の中で何度も何度も夢を見た。
25歳の時にはじめて出来た彼女が登場し『タシデレ~』と何故かチベット語で挨拶してきた。
俺は急に恥ずかしくなり英語で I have to go と告げ、逃げるようにその場を去った。
現実から夢から欲望から失望から、現在未来過去からとにかく俺は逃げまくった。
随分と長い時間だった気がするが、あっという間だった気もする。
森の中をさまようような感じで
逃げて逃げて逃げて、目が覚めると朝になっていた。
そして俺はチベットにいる。
同室のエイアーが調子はどうだと尋ねた。俺はだいぶ良くなったと答えた。
彼も昨日、高山病に苦しんだらしいが薬を飲んだら一瞬で治ったらしい。
どこにその薬があるかと尋ねると、近くにいい感じのゲストハウスを見つけて
そこで飲めるらしい。今夜はそっちに移動しないか?との事だったので
快諾する。
長い夜がようやく明けた。
ベッドから起き上がるとグラッと脳が揺れた気がした。
~つづく~